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目に見えない環境汚染時代を生き抜くために45

 ◇ ニューヨーク・レポート


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 いよいよ今年も余すところ僅かとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。今回は、JAPANブランドのプロジェクトで訪問したニューヨークの様子をお伝えしたいと思います。他のトピックを考えていたのですが、筆者がニューヨークに到着した日にトランプ候補が勝利するという歴史的な瞬間に居合わせたことをふまえ、急きょ内容を変更してお届けします。

 JAPANブランドとは、複数の中小企業等が連携して、優れた素材や技術等を活かし、その魅力を高め、世界に通用するブランド力の確立を目指す取組みに要する経費の一部を補助することにより、地域中小企業の海外販路の拡大を図るとともに、地域経済の活性化及び地域中小企業の振興に寄与することを目的に経済産業省(中小企業庁)が実施しているもので、3月に続き11月に同プロジェクトとしては2回目の訪問となりました。

 皆さまの地域にも伝統的な工芸品や地場産業を受け継ぐ素晴らしい企業が多く存在すると思います。しかしながら、安価な輸入品や新製品に置き換えられるなどして国内市場は縮小を続けており、伝統文化が危機に瀕していることはご承知のことと思います。筆者がJAPANブランドプロジェクトに係ったのは今年が初めてでしたが、切羽詰まった地方都市の現状を目の当たりにし、何かしらお役にたてればと参画しました。

 昨年、筆者が審査員として参加した、世界子どもフェスティバル(ワシントン本部)の日本支部主催、4年に1回の「アートオリンピアード」の国内応募作品の選考会にて、加賀友禅作家である久恒工房の久恒俊治氏(審査委員長)にお会いした折に天女の羽衣と名づけられた世界一軽い繊維に手書きで描かれた加賀友禅のスカーフに一目惚れしたことが今回のプロジェクトに係るきっかけとなりました。

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 アートオリンピアードでは、8歳〜14歳の子どもたちからアート作品を募集し、優秀作品に選ばれた2名には、ワシントンDCのアメリカ議会前の広大な芝生広場で開催される世界子どもフェスティバルへ参加するための往復航空券と諸経費が支給されます。世界各国から選出された子どもたちと共に4日間の日程で行われる様々な行事を通じて交流を深めチームワークやリーダーシップを養う機会となります。

 http://japanicaf.org/2015/05/5th-art-olympiad-result/

 次回は2019年に開催されますのでアート作品の募集は2018年に始まることと思います。皆さまの周囲に我こそはという子ども画伯がいらっしゃいましたら是非ご応募ください。本ブログでもご案内させて頂きます。アートや音楽、スポーツなどの文化は言語や宗教、民族などの違いを超えた交流を促進する世界共通言語であり、青少年交流を通じて培った友情はかけがえのないものとなるでしょう。

 加賀友禅と言えば、石川県ブランドとなりますが、江戸時代に加賀、能登、越中(現在の石川県と富山県)の3カ国加賀百万石の栄華を極めた伝統文化が今も息づいており、戦災を受けなかったこともあって当時の歴史的建造物や街並みをはじめとする加賀藩前田家が残した遺産が受け継がれています。久恒氏によれば加賀友禅作家は石川県内に150名ほどいらっしゃるそうですが、専業で生活されているのは3分の1にも満たないとか。

 後継者不足や市場縮小に悩んでいるのは伝統工芸の世界だけではなく、建築業界をはじめ、日本の産業構造全体が直面している課題と言えましょう。各省庁をはじめ都道府県や市町村が補助金等さまざまな施策を講じておりますので活用してみては如何でしょうか。今回ニューヨークでご一緒したのは、加賀友禅作家の他、沈金師、創作日本舞踊、繊維企業等でしたが、各地でワークショップやパフォーマンス、展示会を行い大盛況でした。

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 トランプ候補が大統領選に勝利したことを到着後の機内で知るや、入国審査カウンターのテレビからはCNNが次々とトランプ氏への国内外のVIPからの祝辞を伝えており、まさかの逆転劇にマスコミも市民も当惑を隠せないでいました。トランプ氏は富の一極集中の象徴とされ、民主党の大統領候補者であったサンダース氏と対極を成していましたが、誰もがヒラリー女史が勝つと信じていただけに7割が民主党支持者と言われるニューヨークには重たい空気が流れていました。

 抗議デモも到着日からニューヨークを中心に各地で行われ、小競り合いもありましたが、筆者が目にしたのは平和的なデモやアピールでした。年間5830万人(昨年統計)の観光客が訪れるニューヨークでは連日のようにイベントが行われており、11月11日の退役軍人の日にはマンハッタンの五番街を封鎖して全米最大規模のパレードが開催されていました。1929年以来毎年行われているというのですから伝統行事と言えましょう。

 統計によると米国退役軍人(生存者)の数は約2100万人おり、現役の軍人約130万人を加算すると人口の約6%となります。日本の自衛隊員は約23万人で人口の約1.7%ですから人口比だけで見れば3倍強の軍人が生活していることになります。軍人は国民から尊敬され恩給も受けますが、中には反戦運動に転じるなどして冷遇されている人も多くいるとされ一概に厚遇を受けているとは言い切れないようです。

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 トランプ氏が大統領に就任した暁には、兵役経験のない同氏がアメリカ軍の最高司令官に就任します。元軍人のブレーンを登用したとしても生え抜きの軍人たちは素直に従うでしょうか。ヒラリー女史はFBI長官によって大統領の座を奪われたとしていますが、アメリカの軍産複合体とイスラエルとの関係にも変化が生まれており今後の行方が注目されます。在日米軍の駐留費を全額負担すべきだとの主張も果たしてどうなるでしょうか。

 日本はアメリカ軍に原爆を2発落とされましたが、戦後70年以上続く平和な時代はアメリカ軍の核の傘の下で実現できたことも事実です。平和にも積極的な平和と消極的な平和があり、消極的な平和は戦闘がない状態を指すものです。休戦や停戦中の紛争地帯においても消極的な平和は存在しています。そうした地域は全世界に広く存在し、積極的な平和を享受している日本はトランプ大統領の誕生を控え、その意味をもう一度考える必要に迫られています。

 11月16日に国連ツアーを実施しました。筆者は国連ワフニフという組織と協力して国連本部で日本人アーティストと共に平和文化啓発プログラムを2004年にたちあげ各地で平和の絵の展示を行ってきました。今回は国連ワフニフのブカール女史に石川県御一行と共に国連本部内をご案内頂きました。国連加盟国は196カ国もありますが、日本はアメリカに次いで2番目に多い国連分担金を拠出しています。

 しかしながら、分担金の割合に比して日本人職員数が少なく、国連内のロビー活動も控えめで権利主張を繰り返す国々の陰に潜んでいるような印象があります。日本の印象は薄い、ほとんどない、といった意見も耳にします。国連は連合国が常任理事国を独占し拒否権発動でさまざまな弊害を生んでいますが、これが現実なのです。第一次湾岸戦争を発端に発足した国連平和維持部隊も年々活動範囲が広がり現在は10万人以上が16カ所に展開。日本も新任務の「駆けつけ警護」で南スーダンに約350名が派遣されたばかりです。

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 上の写真は国連本部内の展示物ですが、左側は毎日費やされている軍事費をデジタル表示で示しています。当日の訪れたのは午後12時半頃でしょうか。半日で費やされた金額は約20億ドル、日本円にして約2200億円。右の写真の展示によれば、世界の年間軍事費総計は1兆7470億ドル、約200兆円。それに対し年間の開発援助費総計は300億ドル、約3兆円。国連の年間予算は26億ドル、2800億円。年間の軍備縮小費総計は6.9億ドル、約700億円となっています。

 地球環境問題の最大の原因は核実験だと拙稿で断言させて頂いたことがありますが、これは過去に行われた核実験によるもので、現在は北朝鮮を除いて核実験を公に行っている国はありません。現在、そしてこれからの環境問題の最大の脅威は戦争です。核兵器のみならず、劣化ウラン弾やハイテク兵器による環境汚染は甚大であり、紛争地域では人命のみならず環境汚染も深刻化しています。世界広しと言えども核戦争の脅威を訴えられるのは私たち日本人しかいないのです。

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 最後に今回のニューヨークの街角の風景をご紹介しながらニューヨーク・レポートを締めくくらせて頂きます。

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