岡山市の工務店 森材木店 注文住宅 リフォーム 岡山県岡山市南区灘崎町 倉敷市 玉野市

目に見えない環境汚染時代を生き抜くために39

環境ジャーナリスト 佐藤恵里

◇クールビズと暑さ指数
◇電力自由化で何を選ぶ?


 爽やかな新緑のシーズンとなりました。衣替えは6月初旬に行うのが慣例ですが、環境省が提唱しているクールビズは毎年5月1日〜9月30日まで行 われています。冷房時の室温が28度でも快適に過ごすことができるライフスタイルを『クールビズ』と呼んでいますが、皆さまのオフィスでは実施されている でしょうか。

 平成17年にクールビズが始まった当初は正直のところ違和感を覚えました。ビジネスマンの美徳の一つに身だしなみが挙げられると思うのですが、当 初のスタイルはその美徳を破壊するかのような、だらしないスタイルに映ったのです。その後、クールビズのファッションが流行るようになり、百貨店やアパレ ル業界の商機と化していますが、身だしなみとファッションは同義ではないので、どのあたりのバランスがベストであるのか未だに意見が分かれるところです。

 ニューヨークと東京を往来しながらファッションブランドのPR業務を推進している友人の首藤さんは、『モテる男の身だしなみ』を上梓しメンズの ファッションガイドとしても活躍しています。上着なし、ネクタイなしでシャツを着こなす術について同氏は、シャツの選び方がポイントになると言います。特 に注目すべきはシャツの衿のタイプ。素材や色・柄でシャツを選んでいた方も次のような衿で着こなせるシャツを選んでみてはいかがでしょうか?ボタンダウン のシャツもお勧めです。

1. デュエボットーニ・シャツ 台衿にボタンが二つ(エレガント)
2. ホリゾンタルカラー・シャツ   衿元がほとんど水平にまで開く(カジュアル)
3. クレリック・シャツ 衿とカフスに白の共生地を使用(正統派)
blog160608-1.jpg


 今年も5月半ばより環境省による暑さ指数(WBGT)の予測値・実況値の提供が始まりました。メール配信サービスや電子情報提供サービスも行っておりますので、ご登録のうえ、ご利用頂ければ幸いです(http://www.wbgt.env.go.jp/)。暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい @湿度、 A日射・輻射など周辺の熱環境、 B気温の3つを取り入れた指標です。

 輻射熱と湿度を指標にとりいれているところがポイントで、暑さ指数で28℃を超えると熱中症にかかりやすくなります。湿度が高いと発汗できず熱が 身体にこもりやすくなるのです。環境省のホームページにおける輻射熱の説明は不十分ではありますが、その重要性を物語っています。熱中症の発生場所は住宅 が最も多く約4割を占めています。犠牲者の多くは高齢者。室内の輻射熱を遮る熱中症対策が急務となっています。クールビズと熱中症対策をバランス良く上手 に進めていきたいものです。

 暑さ指数の実況と予測サイト(http://www.wbgt.env.go.jp/wbgt_data.php) では、通常の暑さ指数に加えて、駐車場(日陰のないアスファルト舗装)、交差点、バス停(小さな屋根付)、住宅地(風通しの悪い)、子供(地表面に近い高 さ)、温室(時々換気)、体育館(空調設備なし)と条件毎に表示。例えば、那覇(沖縄)における暑さ指数の6月1日22時現在の実測値は、27.3度(警 戒)となっていますが、住宅地(28.0度)駐車場(28.2度)バス停(28.6度)では厳重警戒となっています。

blog160608-2.jpg

 

 ◇電力自由化で何を選ぶ?

blog160608-3.jpg


 今年の4月1日から電力の小売全面自由化がスタートしました。といっても、何がどう変わるのか、何をどう選んだら良いのかよく分からないという声 が聞こえてきます。そこで、公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会の常任顧問である辰巳菊子さんから新しいエネルギー社会の 実現に向けた電力自由化への期待についてお話をお伺いしましたので、ご紹介しながら一緒に考えてみたいと思います。

 持続可能な暮らしに向けて消費者ができる事は「賢明な商品の選択・購入をして上手に使うこと」だと辰巳さんは言います。私たちの購入という選択が 世界や未来世代の暮らしを決めることになる、とも。中でもエネルギーの持続可能性は極めて重要なテーマとなっています。家庭のエネルギー源別消費の推移を 見ると昨年は51%を電気が占めています。地方では灯油の利用が大きいところもありますが、電気に頼る生活に近年拍車がかかっています。

 福島第一原発の事故によって、東京に暮らす人々の電気の一部が福島で作られていることに初めて気づいた人も多かったはず。さらに、計画停電が行われたこ とで、電気は無尽蔵に使えるものではないことにも気づきました。そして、大口需要家は自由に電力会社の切り替えができるのに、一般家庭では電力会社を選ぶ ことができないことに消費者は疑問を持ち始めたのです。

 2013年には電気料金の値上げが断行されました(沖縄、中国、北陸を除く)。値上げ審査に係る公聴会へ参加した消費者の声によって、電力自由化 が後押しされたと辰巳さんは分析します。「原子力発電の電気は選びたくない」という主張も多く、そのためには少々の値上げは仕方がないという意見もあった そうです。こうした意見は電源構成(電源ミックス)開示への後押しとなりました。

 経産省、資源エネルギー庁が2010年の時点で策定したエネルギー基本計画によれば、2020年までに原発9基、2030年までに14基を新設 し、2010年には28.6%を占めていた原子力を2030年には52.6%まで高めることになっていました。同計画は修正を余儀なくされたものの、 2015年は川内原発が再稼働し、稼働を目指す全国15原発で原子力規制委員会の安全審査や検査が進んでいます。

blog160608-4.jpg


 「40年廃炉基準」を厳格適用すれば2030年末の時点で現存する43基の原発中、30基が廃炉になります。とはいえ、未だに核のゴミの最終処分 場も決まらないまま議論が続けられています。生命を脅かす危険な核のゴミの出口戦略を棚上げしたまま原発推進をしてきた人々の頭の中を覗いてみたいもので す。英語ではNIMBY、つまり、Not in my backyard (自分の裏庭でなければ)の略称で、NIMBY族とも呼ばれています。

 日本の原発はNIMBY族によって推進され、自治体も住民も彼らの犠牲者といえましょう。その手前には核兵器の廃絶という問題も残されています。 オバマ大統領は広島訪問時のスピーチの中で、自分が生きている間には成しえないかもしれない、と言及しましたが、原発にせよ、核兵器にせよ、将来世代にツ ケを残す問題に真摯に向き合うことが、唯一の被爆国である日本に生まれた私たちに課されているようです。

 さて、話を元に戻しましょう。私たちは普段使っている電気が何から作られているのかをほとんど気にせずに使ってきました。しかしながら、これから は、電源を知ったうえで電気を使っていくことで、今後のエネルギーシステムそのものを変えていく原動力となりうることを知って頂きたいと思います。分かり にくく面倒なテーマかもしれませんが、もう少しお付き合いください。

 リフレクティックスを導入することで大幅な省エネが実現することは素晴らしいことです。消費電力そのものを削減しながら、持続可能なエネルギーを 選んでいくことができれば脱原発の大きな推進力となります。日本のエネルギーシステムは、創る、送る、売る、という三層に分かれていました。そこに『選 ぶ』という層が加わります。上流の発電料金と託送料金はほぼ同じですが、新電力と呼ばれる電力小売業界に参入した事業者によって最終コストが変わってきま す。

blog160608-5.jpg


 託送料金というのは聞きなれない言葉ですが、電気を送る際に電力小売事業者が利用する送配電網の利用料金のことを指しています。これは新電力のみ ならず既存の大手電力会社も負担することになっています。不当に高く設定されては困りますが、それなりに抑えられたと受けとめられています。東北の被災地 支援で海水淡水化装置を動かすために電線をひいたところ高価で驚いたものです。インフラにお金がかかることは分かりますが理不尽な値上げがないように ウォッチしていきたいところです。

 電力小売り自由化により、291社(4月末現在)の小売事業者が参入して市場競争が起こるようになりました。また、今までのように料金規制がなく なり、新電力は自由に料金設定が可能になりました。ただし、既存の大手電力会社には料金規制がしばらく残ることになります。さらに、新たに広域的運営推進 機関が昨年設立されたことにより全国規模で電力の融通ができるようになりました。

 電気が選べる意義については前述しましたが、事業者から説明を受けることで電気がどのようにつくられているのかを知り、ひいては電源を考慮した選 択をすることが可能になります。さらに、電気をつくるところに参画していくこともできるのです。少々高くても再生可能エネルギーの電気を使いたいという人 もいるでしょうし、その分、節電すれば良いという考え方もあるでしょう。

 ただし、新電力がすべて電源構成を開示している訳ではありません。ポイントがたまる、などのインセンティヴで誘惑している事業者も多いので、少な くとも電源構成を常時表示するよう働きかけていきましょう。辰巳さんは電源構成に加えて、電気をつくる過程で排出されるCO?や放射性廃棄物についても表 示すべきだと提案したそうですが、CO?については要検討とされたものの放射性廃棄物に関しては無視されているとのこと。

 日本は資源のない国だと言われていますが、実際はそうでもありません。環境活動家のグルと呼ばれるレスター・ブラウン氏は、地熱発電を推進するよ う進言し、ゼロエミッション研究の第一人者であるグンター・パウリ氏は、無尽蔵にある未利用バイオマスの活用を説きました。日本の地域社会における小規模 分散型エネルギーは送電ロスが少なく、地域活性化にもつながるものです。日本の国土の地形を生かした2000kW未満の小水力発電を広げていくのも一つの 方法でしょう。

 地域に密着した電力会社を探すには、全国ご当地エネルギー協会のウエブサイトを
ご参照頂ければ幸いです(http://communitypower.jp/)。 その他、環境省の補助金を受けて取組む「自立分散型」電力供給の技術実証事業に自治体と共に取組む方法もあります。東松島市は積水ハウスと組み、災害公営 住宅、柳の目東住宅で実証事業をスタートしたばかり。総事業費約5億円のうち4分の3は補助金で賄われ、85戸の住宅や集会場の屋根の上などに太陽光パネ ルを架設し電力の地産地消を目指しています。

 消費電力はワット(W)で消費電力量はワットアワー(Wh)で表されます。その両方で省エネを図っていくことが大切です。下図の通り、電気を熱エ ネルギーにするには大きな消費電力(W)が必要とされます。消費電力の大きい電化製品は使用時間を短くすることでワットアワーを削減できます。東京電力は 従量料金で、120kWhまでは19.43円/kWhですが、300kWhまでは25.91円/kWh、300kWh以上は29.93円/kWhの3段階 料金となっています。つまり、使用時間を短縮することで高い電気を買わずに済むのです。

blog160608-6.jpg


 東京都地球温暖化防止活動推進センターでは、電気料金を見直しするときに下記の3つのステップをふまえて、省エネ、省CO?につなげようと呼びかけをしています。

1. 現在の電気料金メニュー、電気使用量を確認する(アンペア契約の場合)
過去1年間の電気使用量や契約中の電気容量「アンペア」(A)を確認してみましょう。
2. 契約容量や電気の使い方を見直す
年間を通じて最も電気を使用する時期や時間帯において、同時にどれだけの電気製品を使用するかを想定し契約電気容量が過大でないかどうかを見直しましょう。
3. 電気料金メニューを選択する
料金メニューを確認⇒省エネ支援サービスを確認⇒電源構成を確認

 契約容量については、東京電力のアンペアチェックで簡単に確認することができますので是非ご利用ください。契約容量を下げると基本料金が削減できます。東京電力の場合、10A下げると基本料金が月約280円、年3370円削減できます。
☆電気シミュレーション 我が家のアンペアチェック
http://www.tepco.co.jp/ep/private/ampere2/ampere01.html

 電気代の計算方法も確認しながら、事業者を選定していくことになりますが、まずは、現在支払いをしている電気料金の領収書を眺めてみましょう。各社のプランはそれぞれのホームページなどで確認することができますが、比較サイトがありますので上手に利用しましょう。

 さて、ここで、お勧めの比較サイトをご紹介しましょう。その名も「電力会社クリーン乗り換えガイド」(http://enerevo.jp/iSwitchGuide/)。 同サイトでは、各社へのアンケート結果をもとにクリーンな電力会社にスイッチできるよう後押ししています。ポイントは4つ。電源構成を開示しているかどう か。原子力や化石燃料に依存していないかどうか。自然エネルギー100%の供給を行っているか、又は目指しているか、原子力、石炭関連産業から独立してい るかどうか。

 さすが、筋金入りの国際環境NGOグリーンピースが運営しているだけあり、各地域で自然エネルギーにコミットした事業者を知る手がかりを掴むことができ ます。ちなみに関東地方で紹介されている事業者は70社ありますが、その中で辰巳さんも推薦されていた「みんな電力」のウエブサイトをチェックしてみまし た。自分の気に入った発電所を応援し電気料金を払うことができる仕組みとなっています。電気料金も安くなり自然エネルギーの発電所を応援できるのであれば 一石二鳥です。

blog160608-7.jpg


 電力比較サイト「エネチェンジ」も試してみました。こちらでは、現在の電気の使用環境や使用状況、電気料金を入力するだけで、51の電力会社から 最適な電気プランが提示されます。他にもさまざまな比較サイトが存在しますので、幾つかの比較サイトでシミュレーションを行ってみてはいかがでしょうか。 さまざまなサービスやプランが列挙され分かりにくいかもしれませんが、最低限、登録小売電気事業者であることを確認し、解約時の違約金がないことをおさえ ておけば、切替えは簡単です。

 困ったときの相談は、下記までどうぞ。

電力・ガス取引監視等委員会が最終解決の場
電話受付/相談窓口/TEL:03−3501−5725(直通)
(受付時間:9:30〜12:00、13:00〜18:30)
経済産業省専用相談受付 TEL:0570−028−555

 電力自由化は始まったばかり。ぜひ、皆さまのオフィスや家庭で環境に配慮した事業者を選び、将来世代へのツケを少しずつ減らしていきましょう。