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目に見えない環境汚染時代を生き抜くためにQ

 秋の気配が感じられるようになりました。今年の夏も日本全国で数多くの自然災害が発生し、数多くの尊い命が 失われました。広島県の安佐南区及び安佐北区で発生した土砂災害は一瞬にして土石流が住宅地を押し潰し、9月1日の段階で死者72名の大惨事となりまし た。犠牲者のご冥福を祈るばかりですが、このような大惨事を繰り返さないための防災対策が重視されるべきでしょう。

 日本国は、北海道、本州、四国、九州、沖縄の本土及び6847もの離島から成る島国であり、7つの火山帯が日本を縦断し、110の活火山を擁する だけでなく、北アメリカ、ユーラシア、フィリピン、太平洋、それぞれのプレートがひしめきあう地震大国です。ひとつひとつのプレートは巨大ですが、なぜか それらが日本列島上で交差しており、俯瞰してみていると日本が世界の縮図と呼ばれることにも納得するものです。

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 全国の会員の皆さまの地元にも火山帯や活断層が通っているものと思われますが、災害は思いもよらぬ形で突然やってきますので、都道府県や地方自治 体の防災対策を確認し、地元のハザードマップを確認しましょう。ハザードマップでは、地震による建物倒壊危険度、揺れやすさ、液状化危険度をはじめ、土砂 災害危険度、洪水、道路冠水に対する脆弱性等をすぐに確認することが可能です。まずは、地元の状況を把握し、万が一の災害時には被災したインフラや建物の 再建を担うためにも、事業継続計画(BCP)を策定し運用できる準備を整えましょう。

<参考サイト>
http://www.chusho.meti.go.jp/bcp/index.html
(中小企業庁)
http://www.nikkenren.com/publication/pdf/67/bcpguideline.pdf
(社団法人日本建設業連合会)
http://www.ktr.mlit.go.jp/bousai/bousai00000059.html
(国土交通省関東地方整備局)
http://www.cbr.mlit.go.jp/kikaku/bcp/
(国土交通省中部地方整備局)
http://www.kkr.mlit.go.jp/plan/kensetubcp/120712top.htm
(国土交通省近畿地方整備局)
http://www.cgr.mlit.go.jp/pdf/bcp.pdf
(国土交通省中国地方整備局)
http://www.skr.mlit.go.jp/tokushima/bousai/bcp/bcp_index.html
(国土交通省四国地方整備局)
http://www.qsr.mlit.go.jp/takeo/prepare_bousai/bcp.html
(国土交通省九州地方整備局)
http://blog.livedoor.jp/cals_hokkaido/archives/52001448.html
(NPO法人建設スクエア北海道)

 今回土砂災害が起きてしまった広島県の安佐南、安佐北区のハザードマップは準備されている地区もありましたが、レッドゾーンと呼ばれる、建物が破 壊されて人命に大きな被害が生ずる恐れがある区域の多さに目を奪われました。平成11年に広島市と呉市で発生し、31名の犠牲者を出した土砂災害をきっか けに制定された土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域(中でも危険度の高く建築規制がかけられる区域を土砂災害特別警戒区域)の指定が全国で進められて いますが、広島県では、全国最多の3万2千か所の危険箇所を抱えているものの、指定された警戒区域は7月末の時点で1万1千か所余り。日本全国にも同様の 土砂災害が懸念されている箇所が52万か所もありますが、警戒区域指定は約7割にとどまっているとのこと。

 皆さまの地元の危険箇所は把握されているでしょうか?

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 8月に広島から里帰りしていた妹によれば、安佐南、安佐北区は山間傾斜地にへばりつくように宅地開発されており、地元では以前より危険視されてい たそうです。広島県は平野部に乏しく河川流域や河口部に集中しているため、山間丘陵地帯にまで宅地開発が及んでいる事情があります。一方、地震は比較的少 ないため、埼玉の実家で震度3の地震が起きたとき甥は飛び上がって驚いていましたが、同じ部屋にいた父は揺れにすら気がつきませんでした。慣れや過信も防 災意識を妨げますので注意が必要です。

 今回は、7月から8月にかけて本州及び四国の中山間地を巡り、里山の素晴らしさを再認識する機会に恵まれたことから、里山についてとりあげたいと 思います。日本は島国で自然災害大国ではありますが、長年の歴史や伝統を受け継ぐ里山が全国に点在しており、命を育む自然の源泉となってきました。過疎化 や限界集落といった問題が散見されるものの、若者が新たなライフスタイルを求めて里山に移住するケースなど、さまざまなプラスの現象も起きています。

 全国の会員の皆さまの地元や近郊にもそうした里山が数多く存在していることでしょう。自然災害に対する脆弱性は都市部ほど大きいものです。30年 以内に高い確率で予想されている大地震や火山の噴火等の自然災害を乗り越えるために里山にシェルター機能をもたせて被災者を受け入れる体制づくりを進める ことや、都会と里山に分化定住するライフスタイルの推進など、里山の活性化について311以降真剣に考えるようになりました。筆者が関係しているNPO活 動においては、山梨県の小菅村という人口8百人に満たない限界集落に長年お世話になっており、里山の持つ魅力を毎夏、海外から招聘する青少年に体験しても らう機会をつくっております。

 そこで、まず初めに、里山の持つ魅力について、小菅村を例に挙げながらご紹介しましょう。

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豊富な自然資源
里山は原生的な自然と都市との中間に位置し、人里を取り巻く二次林や農地や草原、ため池などから構成される地域を指します。小菅村には多摩川と相模川の源 流がありますが、首都圏から80キロメートルの地域にありながら、豊かな自然環境が保全されている理由の一つに、東京都の水源林として1901年から維 持、管理されてきたことが挙げられます。全国の豊かな水資源や水源を守るためにも小菅村と東京都の取組みを知って頂くことができれば幸いです。
限られた農地の有効活用
里山では平野部が限られ大規模農業は推進できませんが、その地域の風土に適した作物がつくられてきました。小菅村では、わさびの栽培やそば、こんにゃくな どが伝統食としてつくられています。わさび田は数年前の豪雨で流されてしまったところもありますが、天然わさびや地元の山菜のてんぷらと一緒に頂くうちた てのそばは何よりのごちそうです。また、そば粉を使ったそば煎餅づくりも行っています。
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生物多様性を育む森林
小菅村の奈良倉山に海外の青少年と登ってきました。針葉樹のみならず、ミズナラやブナなどの広葉樹が交互に植林された山は、まだまだ手入れが必要とのこと ですが、多種類の植物のみならず、鹿やイノシシ、熊や猿も生息しています。村民の方々が間伐や枝打ちを行っている山林では、切り倒した木を薪や炭にした り、しいたけ栽培のほだ木として活用したり、畑で野菜を育てるために落ち葉を堆肥にしています。元気な木が育っている里山では土壌が保全され、大雨が降っ ても土砂崩れの心配がありません。
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森林浴や温泉リラクゼーション
小菅村にはキャンプ施設や源流の森の体験教室を運営している多摩川源流研究所や多摩川源流大学があり、トレッキングや渓流釣りも楽しめる他、20年前に掘 り当てた温泉が心身の疲れを癒してくれます。里山は、都会の生活に疲れた人々の心を深いレベルで癒し、温泉は明日への活力を与えてくれるものです。
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里山に暮らす村民の方々
里山の財産は、そこに暮らしている人々に他なりません。NPO活動においても、ホームステイを初め、小菅村の村民の皆さまの温かいおもてなしにより、海外 の青少年の言葉を借りるならば、一生の記念に残る体験をさせて頂いております。さまざまな問題を抱えた限界集落において、持続可能な里山の暮らしや取組み を体験することで、貧困や紛争、環境問題に直面する青少年に大きな気づきがもたらされています。
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最後に皆さまにお知らせしたいことは、小菅村におけるプログラムに参加していた海外の青少年とは、先日停戦したばかりの、イスラエルとパレスチナから招 聘した女子高校生だったということです。今年はプログラムの実施そのものが現地情勢により危ぶまれましたが、無事に全日程を終えることができました。

 現地では紛争状態にあるため決して出会うことがない両者を日本に招聘し、里山での共同生活を通じて、それぞれの地域が直面する共通の課題(環境問 題)への対応を学びながら両者の対話や交流を深めていく活動を始めてから8年目を迎えました。この活動を通じて見えてきたことは、日本の里山には素晴らし い恵みがあり、そこで営まれている持続可能なライフスタイルを紛争地域で実践できれば、平和な社会づくりに貢献することができるのではないか、という仮説 です。

 世界の一地域に過ぎない小菅村にいながら、いかに人として世界に関わるのかを考え、人と自然、地域と自然、人と人との絆を育む里山の世界観に向き 合うことで、自らが自然や地域、他者とどのように関わっていけば良いのかを体得し、それぞれの地域に戻ってから、環境保全活動やコミュニティ活動に積極的 に携わっていることが、このプログラムの成果と言えるのかもしれません。

 日本は長きにわたり天災に苦しめられてきましたが、世界各地においては人災による民間人の犠牲者が後を絶ちません。今年招聘した参加者の中にも、 庭にロケット弾が着弾して父親が負傷したイスラエル人や、デモ中に友人がイスラエル軍に殺されたパレスチナ人がいました。初めは相互に不信感を抱きながら も、さまざまなアクティヴィティを通じて少しずつ打ち解け、成田空港では涙ながらに抱き合う姿も見受けられました。

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 今年の参加者の中に、去る6月に世界文化遺産への登録が決まったパレスチナ自治区のバティール村(ベツレヘム近郊)出身の女子高生がいました。2 年前に地元出身の過去の参加者を訪ねましたが、ローマ帝国時代から続くオリーブやブドウの段々畑が美しく、うっとりとしてしまったほどでした。イスラエル 政府はパレスチナからのテロリスト侵入防止のため、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区との間に分離フェンスの建造を進めていますが、その一部がバティール 村の段々畑を破壊する計画がもちあがっており、反対運動が起きていました。

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 こうした分離フェンスのことをイスラエル側はセキュリティ・フェンスと呼び、パレスチナ側は分離壁と呼んでいます。パレスチナ自治区のベトレヘム やラマッラを歩いていると、さまざまな落書きが目につきます。多くの分離フェンスはパレスチナ自治区内にくいこむ形で建造されており、パレスチナ人が生活 の糧としてきた農地が分断されオリーブの木が伐り倒されるケースも相次いでいます。分離フェンスは、それまで行われていた人々の往来をも分断し、お互いの 顔が全く見えない社会をつくってしまったのです。

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 少々話が脱線しますが、上のベツレヘムの落書きには、パレスチナの少女がイスラエル軍兵士のボディチェックをしている姿が描かれています。チェッ クポイントと呼ばれる検問所を通ってイスラエルとパレスチナ自治区間の往来がなされるのですが、そこで良く見られる光景が、パレスチナ人が手を挙げて、イ スラエル軍兵士がボディチェックをしている姿です。和平活動のために往来していたパレスチナ人の友人はイスラエルに入るたびに半裸状態にされて厳しい チェックを受け、屈辱的だったと話していました。

 その友人はイサムといい、筆者が仲間とNPOを設立した2004年当時のパレスチナ側のカウンターパートでした。彼の拠点はガザ地区にあり、当時 はガザ地区から小学生を招聘していました。しかしながら、2006年にハマスが選挙で大勝してガザ支配を図ると、イサムのようにイスラエルと和平プログラ ムを推進している人は敵視され、事務所は破壊され、兄弟は拷問を受け、本人はパレスチナ自治区のヨルダン川西岸に家族と共に逃避しました。

 一昨年久しぶりにラマッラにあるイサム邸を訪問しました。失職したイサムは、その後、ノーベル平和賞を受賞したイスラエルのペレス現大統領が率い るペレスセンターにて、イスラエルとの和平プログラムのコーディネーターとして活躍していました。イスラエル人の友人が斡旋した欧米諸国からの援助で豪邸 に暮らしていましたが、心はガザに置き去りにしたままだと嘆いていました。長男がクリントン元大統領が支援するSeeds of Peace(平和の種)というニューヨークを拠点とするNGOのプログラムでイスラエル人らと交流してきたと誇らしげでした。

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 筆者は縁あってイスラエルとパレスチナに深く関わることになりましたが、それまでは中東とは無縁であり全くの無知でした。第二次世界大戦まで虎 だった日本は羊と化し、羊だったユダヤ人は虎と化した、とよく言われますが、イスラエル人もパレスチナ人も本当にタフで、ちょっとやそっとではめげませ ん。今から思えば、その懸命に生きようとする姿に心打たれたのかもしれません。悩みごとのある人は、イスラエルとパレスチナを訪問すると帰る頃には消えて しまうようです。両者が絶賛する里山の魅力を再認識し、その魅力を海外にアピールできれば、グリーン・ツーリズムやエコ・ツーリズムに関心のある旅行客が やってくるに違いありません。日本の里山の復興について、これからも研究して参りたいと思いますので、是非、皆さまのアイデアをお聞かせ頂ければ幸いで す。

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posted by kmg1 at 22:05 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記