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目に見えない環境汚染時代を生き抜くためにE

暑中お見舞い申し上げます
 
 今年も昨年に続き全国的に猛暑や局地的な豪雨などが続いておりますが如何お過ごしでしょうか。5月下旬から7月下旬までの2カ月間で、熱中症で救急搬送された患者数が26,860名と過去最高を記録しました。
 
 室内にいても熱中症で倒れる高齢者が続出し、値上げされた電気料金の倹約のために冷房の使用を控えておられた方々も多くいらっしゃったのではないかとの報道に悲痛な気持ちになりました。高齢者の熱中症発生場所の約45%が自宅、25%が屋外道路や駐車場という統計もあります。
 
 なぜこれだけ多くの熱中症患者が全国で発生しているのでしょうか?
 
 環境省の熱中症予防情報サイトには、昨年より聞きなれない『暑さ指数』(WBGT)という用語が登場しました。http://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php

WBGT(湿球黒球温度)とは、人体の熱収支に影響の大きい湿度、輻射熱、気温の3つを取り入れた指標で、乾球温度、湿球温度、黒球温度の値を使って計算します。
 ※WBGT(湿球黒球温度)の算出方法
・屋外:WBGT = 0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
・屋内:WBGT = 0.7×湿球温度+0.3×黒球温度

 

 国内では熱中症を予防するために、日本体育協会が湿球黒球温度を使用した運動指針をだしている他、労働環境においては、「人間工学−WBGT(湿球黒球温度)指数に基づく作業者の熱ストレスの評価−暑熱環境」としてJIS Z850、国際的にはISO 7243として1982年に規格化されています。

ところが、上記環境省の予防情報サイトの計算式は正確には下記のとおりであり、重要な輻射熱の条件設定が外れています。

屋外で太陽照射のある場合
 WBGT = 0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
屋内および屋外で太陽照射のない場合
 WBGT = 0.7×湿球温度+0.3×黒球温度

 

 太陽放射や輻射熱の有無を重視したパラメータが用いられているにもかかわらず、単に屋内外のみ表記しているのは如何なものかと思われます。また、気流や暑さへの慣れも重要な指標となっています。

屋外で太陽照射のある場合は、衣服による日射吸収率も加味されなければならず、国際規格においては、異なる気象条件や労働環境、代謝率等を勘案することを提言しています。例えば、防護服などを着用している人や屋外でも日陰で休憩がとれる人とそうではない人では同じ暑さ指数においてとるべき対策やリスクが異なる訳です。

暑さ指数(6都市)と熱中症による救急搬送者数(全国)との関係
6都市:東京都、大阪市、名古屋市、新潟市、広島市、福岡市
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 また、湿球、黒球とはなんぞや?と思われる方もいらっしゃると思いますが、これは、計算式で使う自然湿球温度と黒球温度からくるもので、自然な対流中、すなわち強制通風のない環境に置かれた濡れたガーゼで覆った自然湿球温度センサーが示す値と、中空黒球の中心に位置する黒球温度センサー?が示す値を用います。

 熱ストレスの予防は熱中症のみならず、快適な生活および労働環境のためにも重要な措置であり、暑熱環境における人体の熱収支に大きな影響を与える輻射熱移動を阻止することの重要性を訴える意味でも重要な指標になると思います。

 簡易なWBGT測定器もありますので、炎天下の建築現場をはじめとする暑熱環境の現状把握から始めてみてはいかがでしょうか。

 筆者の実家のある埼玉県は快晴日数が日本一で、日本で最も暑い県として熊谷市などが有名ですが、今年は甲子園選抜の埼玉大会で多くの球児が熱中症で倒れており、学生時代にスポ根マンガのような真夏の某運動部の練習で倒れてはネット裏の日陰で酸素吸入していた苦い記憶が甦りました。8月も要注意の日々が続きます。

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 熱中症を予防するためには、体内の熱を外に放出しやすい環境を確保しなければなりません。気温が体温よりも高くならないようにすること。また、湿度は75%以上になると発汗しても蒸発による熱放散ができなくなるため要注意です。こまめな水分補給に加え、発汗で失われた塩分補給も重要です。糖尿病や高血圧などの既往症で塩分を控えている方は特に注意しましょう。
熱中症予防は厚生労働省や環境省をはじめ、全国の自治体で呼びかけてはおりますが、残念ながら輻射熱に関する記述はほとんど見受けられません。

今年は全国的に最高気温が各地で観測されておりますので、輻射熱を反射するリフレクティックスの普及は今後も予想される異常気象の中で熱中症やヒートショック対策としても大いに威力を発揮していくことでしょう。

 さて、今回は、私たちの生活を左右する地球環境が今後どのような方向に進もうとしているのか、世界的に著名な環境活動家の第一人者であるワールド・ウォッチ研究所の創設者、レスター・ブラウン氏が2001年より率いるアースポリシー研究所(地球政策研究所)が発行しているリリースより抜粋してお伝えしたいと思います。  

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 近年の異常気象は極端な寒暖や洪水と干ばつが繰り返されるなどの特徴があります。日本のみならず、世界各地で最高気温記録が塗り替えられており、化石燃料の使用を削減することなしに所謂文明が適応可能な通常の気温を維持していくことが困難になると予見しています。

産業革命以降、地球の気温は平均して0.8度上昇し、その傾向は1970年代以降加速を続けています。こうした急激な温暖化は過去2万年のあいだ見受けられず、2012年の地球の平均気温は14.56度ですが、NASAが提供する1880年以降の気温データ中、過去14年間に平均気温トップ10を記録した年が全て含まれています。

2012年に米国を襲った代表的な異常気象として中部の大干ばつと巨大暴風雨のSandyが挙げられます。冬季が過ぎてから48州に降雪があったかと思えば3月に真夏日が訪れるなどして史上最高平均気温も記録しました。干ばつはアメリカ合衆国の3分の2の面積を覆い、冷却水不足で発電所が稼働できなくなりました。

ミシシッピ川観光で著名な遊覧船も水不足で運航できず、アメリカ中部の代表的な作物であるとうもろこしも5分の1の収穫しかあげられませんでした。この干ばつによる経済的損失は750億ドルと試算され、本年度のさらなる収量削減も見込まれています。

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 昨年10月にさらなる被害をもたらしたのが、巨大暴風雨のSandyです。カリブ海で72名の犠牲者をだした後、冬の嵐と合体し巨大な怪物となってアメリカ東海岸を蹂躙したのです。ニューヨークとニュージャージーでは100名近くの犠牲者に50万戸に浸水や倒壊被害がでました。ニューヨークの地下鉄は水没し、しばらく運行することができませんでした。被害総額は620億ドルと報告されています。

  数名の科学者は、通常であれば海に抜けていくルートを辿るはずの嵐が異常なルートになった理由を北極の海氷の溶融による大気循環の変化によるものだと指摘しています。北極圏を覆う氷が縮小することによって反射していた熱の吸収が高まり、北極および高緯度地帯の気温の変化を引き起こしたというのです。

  その結果、ジェットストリームが低速化して蛇行がひどくなることで異常気象を引き起こすとしています。グリーンランドの氷の融解も進行しており海抜を7メートルも上昇させるのではと言われています。グリーンランドでは昨年5月下旬に24.7度を記録し、表面積の97%が溶解の兆候を示しました。

  カナダにおいても昨年は記録的な猛暑となり、ロシアでは2010年に次いで2番目に暑い夏を記録し森林火災の被害も受けました。両国における作物の被害は甚大であり価格が高騰しました。フランスでも2003年に15,000名もの犠牲者をだした熱波の記録を破り、中東地域においてもクウェートにて53.6度というアジアにおける史上最高気温を更新しました。

 このような異常気象モデルは今後さらに頻繁により大規模な形で現れると予測しています。

 昨年発生した最悪の異常気象は12月にフィリピン南部のミンダナオ島を襲った台風のBophaと言えましょう。1900名の犠牲者に加え、70万人がホームレスとなりました。

 中国における災害も枚挙に暇がありません。洪水や台風をはじめ、干ばつ被害がでています。ブラジル北部においても1,100の町が過去50年で最悪の干ばつ被害を受けました。アルゼンチンにおいても中部や北部で記録的な洪水となりました。

 温暖化に向かっている兆候が多いものの、ときとして異常な寒冷化現象ももたらし、ユーラシア大陸では一月下旬から二月上旬にかけて氷点下の期間が例年の倍も続き、年末にかけてはジェット気流が下がってきたことでロシアのみならず中国の北東部や北欧も極寒となりました。南半球ではオーストラリアにおいて記録的な猛暑となりました。

 こうした出来事は新たな高熱現象の初期兆候であり、世界各国の政府は気温上昇を2度以内に抑えることで合意しています。しかしながら、化石燃料を使い続けている限り、その目標値を達成できる可能性は消えつつあります。

 以上は長年にわたり地球白書を発行しながら地球環境問題に警鐘を鳴らし続けたレスター・ブラウン氏が所長を務めるアースポリシー研究所からのレポートですが、数年前に同氏の記者発表会に取材に伺った折に印象に残った質疑応答を最後にお伝えしたいと思います。

質問: あなたが考える最大の環境問題とは何でしょうか?

答え: それは国家破綻です。これまでになかったことですが、国家が破たんすることで、それがどの国であろうと地球環境問題は最悪の事態を迎えます。
以上